その1 共学校の人気上昇中
近年、共学校を志望する子どもが増加しています。流行と言ってもよいほどかもしれません。その背景として2点考えられます。
まず第1点目として、少子化の影響で、男子のみあるいは女子のみでは受験生が集まりにくくなっているという現実があります。そこでパイを増やすために共学化にふみきる学校がちらほら出てきました。
2点目としては、子どもたちに意識の変化が感じられます。高学年になると、低学年時とは異なり、男女でグループが分かれますが、最近の小学生は学年がすすんでも男女の壁が低いままである気がします。
学校側・受験生側双方の変化という流れを受けて、中学入試の世界では男女共学がトレンドになっています。
ただし急いで付け加えますが、だからといって男子校や女子校が時代遅れになっているということではありません。トップ校が軒並み男子校/女子校であることからも、それは明らかでしょう。
その2 戦後的な価値観との親和性
戦前(太平洋戦争以前).日本の中学校・高校は男女が別々の学校で学ぶのが主流でした。現在でも伝統校には男子校・女子校が多いですね。
戦後、教育基本法が制定され、男女共学が基本とされたことから、共学校が一般的になってきます。現在でも比較的創立が新しい学校に共学校が多いのはこのためです。
教育基本法 第5条(男女共学)だんじは、互いに尊重し、協力し合わなければならないのであって、教育上男女の共学は、認められなくてはならない。(昭和22年)
近年、日本でもジェンダー意識が高まっており、男女共学人気を後押ししているのかもしれません。
その3 小学校との陸続き
中学校に行くということは大きな変化をともないます。まず授業を受け持つ先生です。小学校時代は一人の担任の先生が多くの科目を担当しているのに対して、中学校では授業ごとに先生が変わります。各々の先生に合わせていかなければならないのです。
またテストも異なります。小学生の時は多くの子が高得点をとって当たり前の、いわば確認テストが中心でした。それに対して中学校では定期テストがあって、順位づけもされます。
こういった大きな変化がある中学校生活ですが、共学校に行くと、小学校の同じで男女問わずが机を並べる環境です。戸惑いを軽減してくれるでしょう。
もちろん高校卒業後の大学も共学がほとんどですし、そもそも一般社会はで男子だけ/女子だけの世界は稀です。したがって出口のところでもスムーズにいくでしょう。