わが子の受験する学校、進学を視野に入れた学校を選ぶ際に、①偏差値、②大学合格実績、③応募者数という客観的な数字は重要です。
でも、本当にそれぞれの「数字」の意味を理解しているでしょうか?
今回は中学受験の学校を選ぶ時の「数字」の読み方について考えてみましょう。
①「偏差値」の正しい読み方
さて、学校選びなると、どのご家庭でも例外なく、塾や受験情報誌が発表している偏差値表をテーブルに広げることと思います。
子どもの持ち偏差値と照らし合わせながら、「ここなら、受かるかな?」「あと偏差値をいくつ上げたら、受かるかな?」などと話し合います。
合格の可能性を考慮しながらの学校選択は適切なものです。
しかし、偏差値表の上にあるからより良い学校なのでしょうか?
もちろん、そうだとは言い切れません!

偏差値表を見るときに注意してほしいことがあります。
ある模試で偏差値は、その模試での目安にしかならない、ということです。別の模試の偏差値表上では参考にならないと言うことです。
そもそもその試験を受けている母集団はそれぞれ異なります。てすから、同じ学校の同じ日程の偏差値が模試によって違うのは、むしろ普通です。
ましてや偏差値の1.2ポイントの差は意味がありません。
例えば、関西の男子難関校として甲陽学院中と大阪星光学院中の偏差値がよく比較されます。多くの偏差値表で甲陽の方が上位になっているかもしれませんが、そうとは言い切れません。
学校の所在地が異なるので、集まる受験生が違います。また受験科目も異なります。甲陽は3教科、大阪星光は3科または4科です。
両校の差は、数ポイントは考慮に入れる必要はないでしょう。
たった1つの模試の偏差値表をばかりながめていると、学校のランクも固定したようなようなものに思いがちです。しかし、偏差値は相対的な数字であり、本質として流動的なものなのです。

また、何よりも数年もすれば偏差値表の学校のランクは大きく違ってくるものです。
20年前、10年前の偏差値表と現在のそれを見比べると、驚きます。大きく偏差値が上昇した学校もあれば、下降してしまった学校もあります。
前者の代表として、渋谷教育学園渋谷中、豊島岡女子学園中、関西では須磨学園中などの例をあげるまでもありません。かつては偏差値表に名前さえなかった学校があります。
偏差値表の数字に振り回されすぎ、学校の中身が信頼できるかどうかを重視してほしいと思います。